Lantun Orchestra-ラントゥン・オーケストラ
ジャズ・ベーシスト、オーケストラのコントラバス、さらには広い意味でのポップスのプロデューサーとして活躍するChaka Priambudi-チャカ・プリアンブディ率いる大所帯の楽団(バンドと言うよりこっちの呼び方が的を得ているので)Lantun Orchestraの1stアルバム(2017年)。
インドネシアが独立し芸能の文化が華開いた1950年代の「これぞインドネシアのポップス」と呼ぶに相応しい音楽と、現代的感性・サウンドを混ぜ合わせることに成功した名作です♪
・クロンチョン
・オルケス・ムラーユ
・ポップ・マレー
↑これがキーワード。
クロンチョンの名作曲家:イスマイル・マルズキや、伝説の歌手:ビン・スラメットらの時代の音楽を現代に蘇らせるのがコンセプトになっており、現代風“伝統的ジャカルタの音楽”が楽しめます!
レコーディングに関わったのはゲスト陣も合わせなんと総勢20名!!
創始者:Chakaにより、適材適所に人材(ミュージシャン)を配し綺麗過ぎず古臭過ぎず、しかし現代だけに寄ることもなくまとめあげた手腕はさすがとしか言いようがありません。
約4年前の作品ですが、いまだに飽きずに聞くことができます。
先ずは私のお勧めのナンバーを聴いてみてください。
YouTubeはコチラ↓
この曲、明るい曲調ではありますが、実はかなり切ない曲。
大都市:ジャカルタの暗の面を描いた曲なのです。
こんな感じです↓
”地方から出てきた青年がジャカルタで職を探すのですが、どこをどう探しても仕事に就くことができない。何度面接に行っても受からない。大都市だから仕事はたくさんあると思って来たのに。食べていくのもままならなくなり、どうしようもなくなった青年が考えた生きていく術…それは【オカマ】となって歌うことでした”
※ちなみに“オカマ”はインドネシア語で「Banci-バンチ、Bencong-ベンチョン」と言います
このストーリーを知った上でMusic Videoを観ると感慨深いですよ。
後半、オカマのシンガーとして人気者になった青年が町の人達を前に歌って盛り上がるシーンなんてホント切なくて(特に青年の最後の顔・涙)。
ちなみにこのストーリーは“ノンフィクション”で、実在するChakaの友人の話ということでした。
「これがジャカルタの現状だ」と。
※Chaka本人から聞きました
そんな切なさと、ノスタルジー満載のポップス、さらには民族的且つ美しい曲想が存分に表現されたLantun Orchestraのこの作品、できればアルバムごと聴いて欲しいなぁ。
もちろん各デジタル・プラットフォームで聴けます!
日本人にとっては少しクセのある音楽かもしれませんが、何度か聴いてるうちに彼らの音楽に魅了されること間違い無しです!!
是非聴いてみてください♫
“良き音楽は良き人生へと誘う”
素晴らしき、インドネシアン・ポピュラー・ミュージックの扉を開こう♫