Glenn Fredly / グレン・フレッドリー
タイトルが示す通り、インドネシアR&Bシーンの立役者です。
今回は、そのグレンが長きに渡って在籍したSony Indonesiaから離脱し、インディーズとしてリリースした独立後初の記念碑的名盤“Luka, Cinta & Merdeka (2012)”を紹介します。
グレンはインドネシアのR&Bシンガー/ソングライターで、プロデューサーとしての顔や俳優、さらには映画のプロデューサーもこなす才能豊かなお人。
1995年にTVのオーディション番組で優勝し、先ずはFunk Sectionというファンク・ロック・バンドからキャリアをスタート。
3年後の1998年、グレンはバンドを離れソロでのキャリアをスタートし、1stソロアルバムをリリースします。
2000年には2ndアルバム:Kembaliをリリース。
2001年にはロシアで行われた国際歌謡祭で3位となり、着々と自身の地位を確立していきました。
そして2002年、とうとうインドネシア全土を巻き込む大ブレイクを果たします。
その後も高い人気を誇り、Sony Indonesiaにて10枚のアルバムをリリース。その間ずっとスターの座を守ってきましたが、グレンとSonyとの確執が生まれ、急遽Sony Indonesiaから離脱しインディーズに身を投じたのです。
インディーズにて自身のバンドThe Bakuucakar名義でリリースされたそのアルバムは、自由やそれまで受けてきた傷、そして純粋に音楽を愛するという基本姿勢に戻って制作されており、彼の最高傑作に仕上がっていると私は今でも思っています。
アルバムタイトルの“Luka, Cinta & Meredeka”というのは、「傷、愛と独立」という意味で、Sony Indonesiaからの仕打ちや不自由さを示唆していることがタイトルから伝わってきます。インドネシアンR&Bシンガーの逆襲…といった感じかと。
独立してからは3枚のアルバムをリリース。
そして、他シンガーとのトリオでの活動や映画出演、プロデュースを順調に行ってきましたが、残念なことに2020年4月8日、44歳という若さで他界してしまいました(亡くなった病院は、当時私が暮らしていた近所の病院でした・涙)。
音楽性ですが、グレンは「マイケル・ジャクソン」に最も影響を受けたと公言しています。
他インスピレーションの源となったのはマーヴィン・ゲイ、そしてクインシー・ジョーンズとのこと。
洋楽Soul・R&Bファンであれば、どんな音楽なのか想像付きますよね?
インドネシアではChrisye-クリシェの大ファンだったようです。
インドネシア音楽界、そしてR&Bシーンを引率してきたGlenn Fredly
まだまだ何十年も「生ける伝説」として活躍して欲しかったなぁ…。
“良き音楽は良き人生へと誘う”
素晴らしき、インドネシアン・ポピュラー・ミュージックの扉を開こう♫